IEC/EN 62368-1 規格改正情報

IEC 62368-1:2023 (第4版)

IEC 62368-1 は、 オーディオ・ビデオ (AV) 機器情報通信技術 (IT) 機器 に適用される安全規格であり、従来 IEC 60065 や IEC 60950-1 の適用範囲であった機器は、IEC 62368-1 に適合する必要があります。

2023年5月26日に IEC 62368-1 の最新版として、IEC 62368-1:2023 (第4版 / Edition 4) が発行されました。

IEC 62368-1:2023 の主な変更点

第3版からの主要な変更点は以下の通りです。
変更点を網羅しているわけではありませんので、ご注意ください。

  • 適用範囲 (1)
    屋内の湿った場所で使用する機器を除外。
    熱エネルギーの放射・対流による熱傷、可燃性液体による傷害を追加。
  • コンポーネント等の容認 (4.1.1)
    IEC 60065又はIEC 60950-1に適合するコンポーネント等が機器の一部として認められなくなった。
  • セーフガードの堅牢性 (4.4.3)
    アクセス可能でない熱可塑性材料の固体セーフガードに対して、ストレスリリーフ試験の要求が追加。
  • 電気エネルギー源に対する保護 (5.3)
    ES2/ES3回路の分離要求と限度値の修正。
  • 過渡電圧の決定 (5.4.2.3.2)
    過渡電圧表の更新など。
  • 電力源回路の分類 (6.2.2)
    Annex Q (LPS) に適合する回路はPS2とみなす。
  • 潜在的発火源の分類 (6.2.3)
    抵抗性PISの条件変更など。
  • 防火用エンクロージャ及び防火用バリアの構造的要求事項 (6.4.8.3)
    底面開口、側面開口に関する要求事項の修正。
  • 特定の出力条件 (B.1.6)
    試験時の出力条件に関する規定が追加。
  • 加圧した液体充塡コンポーネント (LFC) (G.15)
    LFCの分類と要求事項の追加。
  • リチウム二次電池を含む機器に対する追加セーフガード (M.4)
    充電セーフガードや防火用エンクロージャに関する要求事項の修正。

留意事項

当ページに記載の内容は、当方の規格解釈に基づくものであり、内容についての責任は一切負いません。実際の適用にあたっては、必ず原文を確認の上で適用してください。

IEC 62368-1:2018 (第3版)

2018年10月4日に IEC 62368-1:2018 (第3版 / Edition 3) が発行されました。

IEC 62368-1:2014 (第2版) からの変更内容に関しては、機器の仕様によっては、大きく影響を受けるものがあると思われます。ひとつひとつ変更内容を確認していき、自社製品にどのような影響があるのかを確認してください。

IEC 62368-1:2018 の主な変更点

第2版からの主要な変更点は以下の通りです。
変更点を網羅しているわけではありませんので、ご注意ください。

  • USB, PoEなどの汎用通信ケーブルを介した電力供給
    追加の要求事項を IEC 62368-3 に規定。
  • 屋外機器
    屋外エンクロージャは、附属書Yに適合すること。
    メーカーの指定が無い場合、周囲温度範囲は -33~+40℃。
    ES1電圧限度値の0.5倍を超える箇所はアクセス可能であってはならない。
  • 絶縁液体
    絶縁液体は、5.4.12 (絶縁液体) および 6.4.9 (燃焼性) に適合すること。
    絶縁液体がない状態でも 5.4.2 (空間距離) および 5.4.3 (沿面距離) に適合すること。
  • 防火エンクロージャ
    上面/側面/底面開口の決定方法について規定し、各開口に対する要求を修正。
  • ワークセル
    MS3部分のワークセルをもつ機器は、8.5.4.2 に適合すること。
  • ワイヤレス給電
    ワイヤレス給電装置は、9.6 に適合すること。
  • 光放射
    レーザ:IEC 60825 シリーズに従う。レーザクラスによるRS分類は廃止。
    LED/ランプ照明:IEC 62471 シリーズに従う。リスクグループによるRS分類は廃止。
  • 音響エネルギー源
    個人用音楽プレーヤーの音圧レベルからの保護について全面的に見直し。
  • 完全絶縁巻線 (FIW)
    変圧器にセーフガードとして用いる完全絶縁巻線 (FIW) は、G.5.3.4 に適合すること。

留意事項

当ページに記載の内容は、当方の規格解釈に基づくものであり、内容についての責任は一切負いません。実際の適用にあたっては、必ず原文を確認の上で適用してください。

EN IEC 62368-1 関連情報

EN IEC 62368-1:2024 および EN IEC 62368-1:2020 の整合規格化

IEC 62368-1:2023 および IEC 62368-1:2018 に対応した EN 規格として、EN IEC 62368-1:2024 および EN IEC 62368-1:2020 がそれぞれ発行されました。

これらの規格は、まだ低電圧指令 (LVD) の整合規格にはなっていません。整合規格としては、第2版である EN 62368-1:2014 が最新です。

なお、EN IEC 62368-1:2020 は、LVDに先行して、一般製品安全指令 (GPSD) への適合を推定する欧州規格として採用されました。(ただし、3.3.19「音の暴露」と10.6「音響エネルギー源に対する保護」の条項に限る。)

EN IEC 62368-1:2024/A11:2024 と IEC 規格の差分

IEC 62368-1:2024 との主な差分は、以下の通りです。

  • 交流主電源に接続される機器の保護デバイス (4.Z1)
    過電流等からの保護のため、規定の保護デバイスが必要。
  • 外部回路の過渡電圧 (5.4.2.3.2.4)
    EN IEC 63044-3:2018 を参照。
  • 保護ボンディングシステム抵抗値の試験電流 (5.6.6.2)
    直流主電源から電源供給される機器について、最低試験電流を追加。
  • 温度試験方法 (9.3.1)
    IEC Guide 117:2010 Annex A の限度値に基づいて評価する場合は、4.5項の試験方法を用いる。
  • 光放射に対するセーフガード (10.4.1)
    安全な操作・設置に関する情報の、説明書への記載要求が追加。
  • X線に対するセーフガード (10.5)
    RS1の適合性確認のための測定を追加。
  • 音響エネルギー源に対するセーフガード (10.6)
    10.6項は、IEC規格から丸ごと置き換え。
  • 電池収納部のサイズ (M.2)
    関連電池規格の推奨サイズの考慮。
  • その他、各国別の要求事項

EN IEC 62368-1:2020/A11:2020 と IEC 規格の差分

IEC 62368-1:2018 との主な差分は、以下の通りです。

  • 音響エネルギー源に対するセーフガード (10.6)
    10.6項は、IEC規格から丸ごと置き換え。
  • 交流主電源に接続される機器の保護デバイス (4.Z1)
    過電流等からの保護のため、規定の保護デバイスが必要。
  • 外部回路の過渡電圧 (5.4.2.3.2.4)
    EN 50491-3:2009 を参照。
  • X線に対するセーフガード (10.5)
    RS1の適合性確認のための測定を追加。
  • その他、各国別の要求事項

IEC/EN 62368-1 最新版 の購入

ご自身で規格を購入される方は、以下の IEC Webstore (外部リンク)から購入することが可能です。前の版からの変更点を特に確認したい場合は、Redline Version (RLV) を購入してください。

また、EN 62368-1 については、BSIなど各国の規格発行機関から購入することができます。以下は CENELEC のリンクです。"Sales Point" をクリックすると、規格が購入可能な各国の機関一覧が表示されます。