IEC/EN 60825-1 規格改正情報
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IEC 60825 ED4 (第4版)
IEC 60825-1 ED4 (第4版) の発行時期は、2026年1月の見込です。(2024年7月時点)
今後の規格策定作業の進捗によって大幅に前後する可能性がありますので、継続して状況を注視する必要があります。
IEC 60825:2014 (第3版)
IEC 60825-1 の最新版は、 IEC 60825-1:2014 (第3版 / Edition 3) です。
CEマーキング (低電圧指令) の整合規格として、EN 60825-1:2014 が 2017年6月19日以降に強制となったほか、米国でも Laser Notice No. 56 が発行されて第3版を導入しやすくなりました。今後も当面の間、各国のレーザ規制の標準となる規格です。
留意事項
このページに記載の内容は、当方の規格解釈に基づくものであり、内容についての責任は一切負いません。実際の適用にあたっては、必ず原文を確認の上で適用してください。
EN 60825-1:2014/A11:2021 への切替対応期限
EN 60825-1:2014/A11:2021 の概要
欧州では EN 60825-1:2014 を一部修正する EN 60825-1:2014/A11:2021 が発行されました。
すでに低電圧指令 (LVD) の整合規格にもなっており、EN 60825-1:2014 は廃止 となる予定です。2023年6月21日 までに A11:2021 への切替対応が必要となりますので、早めに EN 60825-1:2014 からの変更点についてチェックしておくことをお勧めします。
EN 60825-1:2014/A11:2021 の主な変更点
主要な変更点は以下の通りです。
- 消費者向けレーザ製品
EN 50689 への適合要求が追加 - クラス1C に分類されるレーザ製品
EN 60601 または EN 60335 シリーズ該当箇所への適合要求が追加 - 1250 nm ~ 1400 nm の波長範囲のレーザ製品
角膜保護のための要求が追加 - 製品の機能上、クラス1 AEL を超える放射に人のアクセスが必要な場合
その機能を実現するために最も低いレーザクラスでなければならない、という要求が追加 - その他、分散光源に関する記載などが追加
EN 50689:2021 発行
2021年11月5日に、EN 50689:2021 が発行されました。
EN 50689 は欧州で独自に検討された規格であり、国際規格や他国の規格に対応するものはありません。しかし、消費者向けレーザ製品を規制する思想としては、日本のPSCマークなど他国の規制に通じるものがあります。
EN 50689:2021 の概要
EN 50689 は、消費者向けレーザ製品に適用される規格です。
IEC/EN 60825-1:2014 は、レーザ製品をクラス分けし、各クラスに対して適切な安全対策を求める内容の規格です。消費者に対して適切と考えられるレーザクラスは一般的にクラス2程度までですが、従来これを規制するものはありませんでした。
EN 50689 は、消費者が取り扱うレーザ製品をクラス1またはクラス2(条件によっては、クラス3R)までに限定し、必要な追加の安全対策を施すことを要求しています。
EN 50689:2021 の適用範囲
- 消費者向けレーザ製品に適用される。非消費者向け、業務用のレーザ製品には適用されない。
- EN 62115 の対象となる電気玩具は対象外
- クラス1C の消費者向けレーザ製品(美容ケア機器など)は対象外
EN 50689:2021 の内容
- 子ども向けのレーザ製品は、クラス1であること
- 直径 1 mm の制限開口で決定された最悪条件の被ばく放出が、皮膚の MPE を超えないこと
- 消費者向けレーザ製品は、原則クラス1または2であること
- 直径 3.5 mm の開口絞りを用いた最悪条件の被ばく放出が、クラス3Bの AEL を超えないこと
- 消費者向けレーザ製品で、クラス3Rとする場合は所定の条件を満たすこと
IEC/EN 60825-1 関連規格 最新版 の購入
ご自身で規格を購入される方は、以下の外部リンクを参照してください。IEC 規格は IEC Webstore から、 EN 規格は各国の規格発行団体から購入することができます。EN 規格については、CENELEC のウェブサイトにリンクしています。