IEC/EN 62471 規格改正情報
IEC 62471 シリーズの改正状況
IEC 62471:2006
IEC 62471 は、LEDやランプといった照明の光生物学的安全性に関して、試験方法などが規定されている規格です。欧州では、IEC 62471:2006 を基にした EN 62471:2008 がCEマーキング (低電圧指令) の整合規格となっており、照明を備えている製品であれば、これを適用して安全性の評価をおこなうべきと考えられます。
IEC 62471 の最新版は、 IEC 62471:2006 (Edition 1 / Ed. 1) です。2006年に第1版が発行されて以降、改訂の検討は続けられているものの、まだ正式な改版には至っていません。
IEC 62471 Edition 2 の発行時期
IEC 62471 Edition 2 (Ed. 2)の発行時期は未定です。Edition 1 の Stability Date は 2024 年になっており、TC 76 (放射光の安全規格を策定する委員会) の Work Program にもまだ挙げられていませんので、しばらく規格の更新は無い見込みです。
IEC/TR 62471-2:2009
IEC/TR 62471-2:2009 は、非レーザ光放射の安全性に関する要求事項のガイダンス規格です。テクニカルレポートの分類であるため、この規格自体が強制力を持つものではありませんが、IEC 62471:2006 をはじめとした光放射に関する安全規格を適用する際に、合わせて参照すると有用です。
特に、IEC/TR 62471-2:2009 に記載されている リスクグループ毎のラベル要件 は、IEC 61010-1:2010+A1:2016 や IEC 62368-1:2018 など他の製品規格が引用または参考にしており、重要度の高い内容となっています。
規格としては、取り下げ (Withdrawn) のステータスとなっていますが、代替の規格は発行されていません。(2023年4月時点)
詳しくは以下のページで解説しています。
他の IEC 62471 関連規格
IEC 62471 シリーズの関連規格として、以下の規格が 2022 年から 2023 年にかけて発行されました。
- IEC/TR 62471-4(測定方法):2022年9月22日発行
- IEC 62471-6(紫外ランプ製品):2022年10月11日発行
- IEC 62471-7(主として可視光を放射する光源および照明):2023年2月16日発行
EN 62471:2008 の概要
先に述べたように、欧州では IEC 62471:2006 の一部を修正する EN 62471:2008 が発行済みであり、CEマーキング(低電圧指令)の整合規格となっています。
EN 62471:2008 と IEC 62471:2006 の差分は、第4項の露光限界(Exposure Limits)に関する規定がまるごと変更になっている点です。労働安全上の露光限界については、欧州では人工光放射指令 (AORD) 2006/25/EC で既に規定されているため、IEC 62471:2006 の値ではなく、指令の値を採用する、という内容です。
IEC/EN 62471 関連規格 最新版 の購入
ご自身で規格を購入される方は、以下の外部リンクを参照してください。IEC 規格は IEC Webstore から、 EN 規格は各国の規格発行団体から購入することができます。EN 規格については、CENELEC のウェブサイトにリンクしています。